上村病院は今年で260周年を迎えます
上村病院病院の歴史
おかげさまで二百六十年
明和元年(一七六四)、初代上村春菴が長崎に蘭学修業に来てから260年。
明治四年(一八七一)六代春甫が上村病院を創立して153周年を迎えることができました。
十代に亘って連綿として受け継がれてきた歴史を共に築いてきていただいた職員の皆様と、永年にわたって
支えていただいた地域の皆様に感謝をいたし、厚く御礼申し上げます。
上村家の初祖、初代春菴(一七二三~一八〇四)は江戸時代の中頃、江州(近江の国)琵琶湖の近くで
医家に生まれ、江戸時代に於ける日本三医人の一人として著名な京都の吉益東洞の門に入り医学を学び、
さらに明和元年(一七六四)長崎に赴き、蘭学修行中の安永六年(一七七七)、佐賀鍋島藩に五人扶持の
医師として召し抱えられた記録が残っています。それより明治維新によって幕藩体制が終わる六代春甫に至る
まで代々佐賀鍋島藩典医を勤めています。
五代春菴は、安政五年(一八五八)佐賀藩医学寮が設立されると指南役差次を拝命しています。
六代春甫は医学寮(好生館)の教師、県立病院唐津分院長などを歴任しながら、明治四年(一八七一)
二月一日に、松原町八幡小路の医学寮跡地で開業をしています。上村病院は、この日を創立記念日として、
今日は満153年を迎えることになりました。
七代春菴は東京大学医学部を卒えて明治四十一年に帰佐すると、県立病院好生館に勤務し、新しい病院の
建築に着工して、明治四十三年(一九一〇)一月九日竣工、内科・外科のベット数六十床の近代的な病院を
完成させています。
八代周甫は昭和四十二年八月一日に医療法人春陽会を設立し、鉄筋コンクリート造五階建て百二十床の
病院を昭和四十五年二月一日に竣工しています。
その後、私が大学での研修を卒えて帰るのを前に昭和五十六年増築し二百床としました。
平成五年十二月一日、兵庫町へ新築移転し、介護老人保健施設みどりの園を初めとして佐賀市在宅介護
支援センター、ホームヘルプサービス、訪問看護ステーション、介護サービスセンター、デイサービスセン
ター等の介護サービス施設の整備を行ってまいりました。
平成十七年八月一日には、社会福祉法人春陽会を設立し、平成十八年四月、鍋島町蛎久に特別養護老人
ホーム『春庵』を開設。さらに平成二十一年四月からは地域包括支援センター佐賀市城東の業務委託を受けました。
平成二十四年には病院の隣接地に、地域密着型サービス施設のグループホーム、小規模多機能施設、
認知デイの事業所を開設し、令和三年には介護付き有料老人ホーム兵庫の郷、介護医療院兵庫の郷を開設
いたしました。
これからも、上村病院を中心として、地域の医療・介護・福祉に貢献できる体制を整備していきたいと考えています。
私は、『之を養うや春陽の如し、誠実に王道を歩む』をモットーに、今後も最新の医療機器の整備や医
療環境の充実とともに利用者の方たちに安心して利用いただく施設整備を行いながら、職員が働きやすい職場を
確立し、当法人の本来の目的である保健・医療・福祉そして介護の公平で公正な普及と充実のために、人々
の健康を願い、熱意と誠実と愛情と思いやりの心をもって努力してまいる覚悟でございますので、何卒、
皆様方の変わらぬご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
二〇二四年二月一日
医療法人 春陽会 上村病院
理事長 上 村 春 甫
院 長 上 村 春 良